
プレ創立50周年の歩み
同窓会の皆様、こんにちは!安城東高校3回生、第14代校長の村瀬です。今年度の新入生は、第47回生です。つまり、安城東高校のこれから3か年は、プレ創立50周年に向けた歩みです。これまでの本校の歴史に深く関わられた皆様からは、「もう半世紀になるんだ」と感慨深いお言葉をよく頂戴します。それを耳にするたびに、それぞれの時代や社会、地域の要請を受けて、真摯に教育課題に取り組まれてきた関係の皆様の本校に対する熱い思いを感じます。それとともに、学校経営者として、新たな責任を自覚せざるを得ません。それは、「創立半世紀を迎えようとしている普通科としての特色をどのように語ることができるか」という問いとして、学校の大きな課題です。
そもそも「普通科」とは何か。これは、普通教育(高校では普通課程)を主とする学科として、全国民に共通の、一般的・基礎的な、職業的・専門的でない教育を指すとされ、9年間の義務教育と密接な関連をもつ言葉として使われています。その内実は、学校によって様々ですが、安城東高校にとっての「普通科」の意味を明確にし、それを教育活動として可視化する取組を今推進しています。全校生徒の投票によりデザインを決定し、内容も一新した本年度の学校案内には、これから向かう安城東高校の人材育成の指針が示されています。
創立以来40年以上続く国際交流の活動や5年前に設立された国際理解コースの取組は本校の持つグローバルな視野を、そして、鳥取県大山や石川県能登千枚田などへの奉仕体験や長崎県を中心とする自然・歴史・まち体験などの現在の課外活動は、ローカルな視点で行動することの必要性を語っています。これらを人類の持続可能性の観点からつなぎ、各教科で学んだ知識を統合する新しい教育活動を展開しています。それが、本校独自の総合学習「グローカルスタディーズ」(GLS)です。本校がこれから目指すべき人材育成の指針は、「グローカル人材」です。
在校生出身地区は、安城・矢作・幸田地区を中心としながらも、現在、三河62中学校区に広がっています。三河各地域から、様々なローカルを背負った生徒が、現在、この碧海野の大地に集まっています。これからの時代を担う青年に求められることは、グローバルな視野をもちつつ、様々なローカルな局面、可変的な活動ステージであるローカルを意識して、多様性を認め合い尊重しながら自己を確立し共生していくことです。このGLSを中心とした教育活動では、各教科の学びを青年期に必要な「教養」として捉え、それを統合する学習過程を編成しています。東京大学教養部との連携協定締結による東大発教養講座の配信、有識者による各種セミナーの開催、他県高校との課題探究合同発表会の企画、アジア・欧米諸国(オーストラリア、アメリカ、ドイツ、タイ、シンガポール、韓国)とのICTを介した交流活動等の試みなどを通して、新しい人材育成の指針に沿って、現在、私たちは歩んでいます。
「普通科」安城東高校の学びの中味は「教養教育」です。「教養」とは、情報や体系化された知識だけではなく、課題に対して主体的に粘り強く取り組む態度や共生の精神とともに、自己決定の保障による自律心の涵養なども含む言葉です。本年度からは、生徒会が中心となり、「さわやか SELECTION!」と題して、登下校しやすく学校においても過ごしやすい服装を個人が選択できる幅の拡充を進めています。
プレ創立50周年に向けた、教科ごとに個別化された学習の統合化(GLS)、個人の選択の機会拡充による自己決定の保障、それを促す生徒会活動の活性化などの取組は、幅広い「教養」を習得し、大学における学びを支え将来の社会貢献へと導く試みとしてご理解いただければ幸いです。これまでと相変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げ、私からの近況報告とさせていただきます。
2022/07/10

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